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TOPから学ぶvol.79 株式会社マトリックス 大堀康祐社長 後編

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今週は株式会社マトリックスの大堀康祐社長に登場いただきました
後編ではパチンコ・パチスロ事業を始められた当初苦労したこと、そしてパチンコ業界への想いをお聞きしました
それではどうぞ!

TOPから学ぶvol.79
株式会社マトリックス 大堀康祐社長 後編



株式会社マトリックスhttp://www.matrixsoft.co.jp/index.html
代表取締役社長 大堀 康祐 氏
1994年にゲーム制作会社である株式会社マトリックスを設立。「面白いコンテンツを真面目につくる」にこだわり、その後はモバイル事業、パチンコ・パチスロ事業も開始。現在は社員数約120名の企業に成長している。

■■■■■

―パチンコ・パチスロ事業を始められた頃、苦労したことは何かありますか?

パチンコ業界は閉鎖的ですよね。私は特にコネクションもなかったので、最初は真っ向勝負でした。
パチンコの企画書は見たことがなかったので、リーチはこうで、演出はこうで、役物はこうで…と想像しながらオリジナルの企画書を作り、メーカーへ営業に行っていました。
メーカーに電話して企画書を見て頂きたいとアポイントメントをもらって・・・今思うと、高校生の時と同じですね。

―メーカーさんの反応はどうでしたか?

不思議そうでしたね。否定的ではなく、「なんでゲームを作っているのにパチンコも作りたいの?」という感じでした。
当時はゲーム制作会社がパチンコ業界に参入することは多くはなかったです。でも私は面白いパチンコ台を作りたいという想いがあったので、チャレンジしました。
その頃には、社員数30~40名規模の企業になっていました。

―その頃から現在の約120名へと成長する要因は何があったのでしょうか?

ポリシーにある「真面目に仕事をする」ことですね。
ゲーム制作会社の中にはパチンコ関連の仕事を甘く見ている会社も少なくないと思います。パチンコをやったこともない人が企画書を作って制作をしていることもあります。だからユーザーが遊びたい台にならないんです。当たり前ですよね、非ユーザーが作るパチンコなんて面白くないじゃないですか。
私たちはすべての事柄に対し真面目に取り組むことをポリシーにしているので、パチンコ台を作ることにも本気で取り組んできました。
当社のパチンコ・パチスロ事業のスタッフたちは、みんなパチンコやパチスロが大好きで、いつも勝った~、負けた~、という会話をしていますよ。彼らが考えるパチンコの企画はやはり面白いです。
そうやって真面目に仕事をしてきたからこそ、今があるんだと思います。

―自分達で手掛けたものが世に出た時は嬉しいんでしょうね。

作ったパチンコ台が出るときは必ずホールに行って、お客様が遊技しているのを後ろで見ています。ひとつひとつの演出に対し、お客様がどの様な反応をするのかを確認するんです。
自分たちの作った台にお客様が座って、「これはこうなるとアツイんだよ!」と、隣のお客様に説明しているところを見た時が本当にうれしいですね。

―社員のみなさんが制作に集中できる環境を整えていると伺ったのですが、実際にどのようなことをされていますか?

我々のビジネスは、「今はこれが流行です」と会社が教えてくれるものではないです。全ての人達が職人として常にアンテナを張って、情報収集し、こうした方が面白いと考え、勉強し続けることが大切です。だから私たちの仕事は、常に刺激を受けていなければなりませんし、会社もそのような環境におくべきだと思っています。
なので、今のオフィスも情報が取りやすい環境下であるということを考えて、歌舞伎町のこのビルにしたんです。ここだったらゲームセンター・パチンコホール・映画とあらゆる娯楽が揃っていて、情報収集にうってつけの場所だからです。休み時間でも市場調査ができ、弊社にはピッタリの場所ですね。

―「真面目」ということを大切にされていますが、そのお考えに至ったきっかけは何かありますか?

私達が作っているものはソフトです。ゲームもパチンコも、何もないところに価値を付けることが仕事です。ただその価値というのは、趣向性の問題です。良いか悪いかは、判断する人によって違います。価値のないものに対して、あると言い張る人もいます。そのような不透明なところがあるからこそ、業界に対して真摯に取り組む姿勢が必要なのです。自分たちが好きで、良くしていきたいと思っている業界ですからね。
一番大切な「人を感動させる、楽しませる」。これはゲームでもパチンコでも同じで、難しいことです。そのため、生半可な気持ちでは行動できません。しっかりと計算し、考えなければ実現できません。

私の夢はゲーム業界に恩返しすることなんです。ゲームを生み出してくれたこと、遊ばせてくれたこと、働く場を与えてくれてこと。私達はゲームに感謝するとともに、恩返しをしていきたいです。
これらが全て「真面目」に繋がっています。

―ではそんな夢を共に実現する社員さんの採用で、大堀社長がこだわっていることは何かありますか? 

職人なので一定の水準は必要ですが、それよりも理念に共感してくれることが大切です。例え素晴らしい仕事をする人でも、理念に共感できない人と一緒に働くのは難しいですね。
それからゲームやパチンコなどの遊びが好きで、さらにビジネスとしても捉えることができ、仕事に真剣に取り組んでいける人。そういった人に来てほしいです。

パチンコ・パチスロの事業部にパチンコを全くやったことのない社員を配属することもごくまれにあるんですよ。本人の適性を考えてなんですが。そういう人の多くはイメージだけで「パチンコ=悪」と思っていることが多いんですね。だから「パチンコ=遊び」という考えを私自ら一生懸命説明しますよ。パチンコの楽しさを知ってもらいたいんです。
加えて社内にはパチンコ・パチスロ試験があります。「フリーズとは?全回転とは?」といった簡単な問題から内規まで幅広く出しています。パチンコ台を作る人は真のユーザーであり制作のプロであることにこだわっています。

―大堀社長ご自身もパチンコがすごく好きなんだということを感じます。

大好きですよ!いつも宝探しのようで、ワクワクしています。
今後の目標は「これはスゴイ!」と思わせる台を世に出すことです。

―では最後に、業界の方へのメッセージをお願いします。

パチンコはギャンブルではなく遊びです。私たちの仕事は夢を追うことだと考えています。
ですが、昔のパチンコ台は遊びの幅が広かったのに対し、近頃は狭まってしまったことが残念です。ハネモノなど今でこそ復活傾向にありますが… 
液晶の進歩はすごく大きいのですが、内規に乗っ取った部分がそれに比べると制作できる幅が小さく感じますね。私たち制作会社はその制約下の中で、もっともっと楽しい台を作っていかなければなりません。

パチンコホールさんには業界を盛り上げるために、他責ではなく、“自分がやるんだ”という気持ちで真面目に取り組んでほしいです。
例えば遊技台にしても、もっと1台1台に真剣に向き合って欲しいですね。パチンコ業界は、ホールよりもメーカーが強い立場にあるとよく言われています。だからこそ、ホールの方には、今よりもっと遊技台を知っていただき、メーカーに向けてたくさん意見を出してほしいです。
ホールの方が展示会に来ても、試打ロムで大当たりしている状態しか打っていない光景を良く見ます。でも台を見る際に重要なのは、当たっている楽しい瞬間ではありません。ユーザーが一番多く打つことになる通常状態をいかに多く打ち、当たるまでのドキドキ感がどう演出されているかを見ることです。台のことを知る努力をすることで、より戦略的な台選定が可能になってくるのだと思います。
私自身もパチンコは大好きですし、本当に、パチンコ業界には元気になってほしいですね。

―ありがとうございました!

■■■■■

次回は

10月9日(水)

に配信予定です。

お楽しみに音譜

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